ドッグフードは様々な種類のものが売られています。
年齢別、犬種別、フードの成分や形状等たくさんあり過ぎて迷ってしまいますが、ここで見てほしいのがドッグフードのパッケージに「総合栄養食」と表示があるかです。
ドッグフードの総合栄養食とは?
パッケージに「総合栄養食」と書かれているのは、ペットフード公正取引協議会の定める基準を満たしていて、このフードと水だけでワンちゃんの健康が維持できると認められたドッグフードです。
但し、品質等は一切関係ありません。
粗悪な原材料であっても1日に必要な栄養バランスは整っていればいいので、「総合栄養食」と書かれていても安心はできません。
また、「総合栄養食」の表示がなくても、高品質のドッグフードもあります。
どこで良いドッグフードを見極めるかというと、ドッグフードの袋に表記されている原材料と成分表です。

愛犬に必要な6大栄養素って?
ワンちゃんに必要な6大栄養素は、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・水です。
私達人間と同じですね。
でも、肉食動物であるワンちゃんとは栄養素の比率が違います。
例えば、タンパク質は、犬は人間に比べて4倍も必要と言われています。
ドッグフードに含まれる主な栄養成分は?
ドッグフードの主な成分は、
- 炭水化物
- 粗タンパク質
- 粗脂肪
- 粗灰分
- ビタミン・ミネラル
- 水分
粗というのは、純粋にその成分を測定しているのではなく、同時に他の成分も測定していて、たとえば、タンパク質であれば、アミノ酸やアミン類を「粗」という言葉で表しています。
炭水化物は表示義務がなく、それ以外の5つの栄養素の重量比が大事になってきます。
この数値を見ることで、栄養があるドッグフードなのかおおよそですが、わかるようになっています。
%で表示するのは、栄養バランスを重視している為です。
また、「以上」や「以下」のような表示になっているのは、栄養成分を保証しているという意味です。
タンパク質や脂肪は栄養上必要なので、「以上」の表示、水分や繊維や灰分は多いとカロリーが低下したり、一定の栄養が摂れなかったりするので、最大含有量を保証して「以下」の表示がされています。

炭水化物
炭水化物は「糖質」と「繊維質」でできています。糖は運動のエネルギー源になり、繊維質は腸を活発にする働きがあります。
安価なドッグフードにはとうもろこしや小麦などの炭水化物がたくさん入っていますが、これは、原価を安くする為のかさ増しです。
犬の唾液には、炭水化物を分解する「アミラーゼ」という酵素を含んでいない為、食物繊維を分解できないと言われていました。
最近では、腸内細菌によって分解され、エネルギー源にもなっているという見解が示されましたが、どれくらいエネルギーが作られているのかはわかっていません。
穀類を摂取することで、消化器官の異常やアレルギーを引き起こしたり、過剰摂取すると肥満にもなります。
ワンちゃんにとって、炭水化物は少量で充分です。
粗タンパク質
タンパク質は、ワンちゃんにとって、とても大切な栄養素です。
血液や骨、筋肉・臓器・皮膚・被毛を作るアミノ酸から構成されている栄養素です。
22種類あるアミノ酸のうち、自分の体内で生成できない12種類のアミノ酸を食事から摂らないければいけません。
その為には、良質な動物性たんぱく質である牛肉や鶏肉・
なぜなら、
コストが安い大豆やとうもろこし等ワンちゃんにとって消化ができ
ドッグフードは、質の高い高タンパク質を選ぶことが大事です。
粗脂肪
エネルギー源になる脂肪分です。
脂溶性ビタミン(ビタミンA・E・D・K)の吸収を、脳や網膜を活性化させ、細胞の生成や皮膚・被毛の健康維持に必要な栄養素です。
粗繊維
粗繊維は食物繊維で、便通を良くします。
但し、ワンちゃんは消化することは出来ない為、多く含まれているドッグフードは避けなければいけません。
粗灰分
ミネラルのことです。ミネラルは体調維持のために必要な栄養素で、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンの4つがあります。
水分
水分量が多いドッグフードは、水分でかさ増しをしていたり、水分が多いと腐りやすくなるので、酸化防止剤や保存料などの添加物を多く使用しなければいけません。
ドッグフードで大事な栄養バランスが良い配合は?
ワンちゃんに必要な成分が分かったところで、大事になってくるのが、栄養バランスです。
ワンちゃんの健康を維持するために、ドッグフードは栄養バランスを重視しています。
成分 | 数値 | 数値 |
幼犬 | 成犬 | |
粗タンパク質 | 22.5%以上 | 18%以上 |
粗脂肪 | 8.5%以上 | 5.5%以上 |
粗繊維 | 4%以下 | 4%以下 |
粗灰分 | 5~10%位 | 5~10%位 |
水分 | 10%以下 | 10%以下 |
ドッグフードのパッケージの裏には必ず成分表が記載されています。
上記成分表を参考に選ぶとワンちゃんにとって、バランスの良いドッグフードを選ぶことができます。
ただし、これはあくまでも栄養バランスです。
ドッグフードを選ぶ際に大切なことは、栄養バランスと原材料です。
ワンちゃんがいつまでも元気いれるように、この2つを確認して、栄養価が高く、バランスが取れた良質のドッグフードを選びましょう。

ワンちゃんが1日に必要な栄養量はどれくらい?
ワンちゃんが1日に必要とする食事量は、エネルギーの知識を用いて計算することができます。
計算式は、RER=体重(kg)の「0.75乗」×「70」×「活動係数」
ワンちゃんが安静にしている時の「安静時エネルギー要求量(RER)」です。
(体重×30+70)係数=1日に必要なカロリー係数は、愛犬のライフスタイルで変わります。
年齢や健康状態 | 活動係数 |
生後4か月までの仔犬 | 3.0 |
生後4カ月から1歳までの仔犬 | 2.0 |
健康な成犬 | 1.8 |
避妊・去勢手術をしている健康な犬 | 1.6 |
肥満傾向かつ中高齢期の避妊・去勢手術をしている犬 | 1.2 |
肥満傾向かつ中高齢期の避妊・去勢手術をしていない犬 | 1.4 |
減量をしなければいけない犬 | 1.0 |
例えば、5歳で4Kg、避妊・去勢手術をしていないダックスの場合、活動係数は1.4なので、(4×30+70)×1.4=218
1日に必要なカロリーは218キロカロリーになるので、その量を与えます。

塩分は少なめ!愛犬の1日の塩分摂取量の計算方法は?
塩分は注意が必要です。摂り過ぎてしまうと、高血圧や心臓障害をひき起こしてしまうので、計算をして与えます。
1日あたりの理想の摂取量の目安は
体重(kg)×50(mg)
で計算することができます。
例えば、5歳で4Kgのダックスの場合、4㎏×50㎎で200㎎、1日当たり200㎎の塩分を摂っても良いということになりますが、なるべく少なめに摂るようにしましょう。
まとめ
「総合栄養食」とパッケージに表示されているのは、愛犬に必要な栄養成分が入っていて、なおかつ決められた割合でバランスよく配合されていると認められたドッグフードです。
このドッグフードと水があれば、ワンちゃんは生きていけると認められたものなので、そう聞くとすごい!と思ってしまいますが、残念ながら品質については全く感知していません。
粗悪な原材料を使っていても必要な栄養成分と栄養バランスをクリアしていれば、「総合栄養食」と認められるのです。
だから、大切なワンちゃんに健康で長生きしてもらう為には、この基準だけで選ぶことはできません。
原材料が粗悪ではないか、ワンちゃんの健康を害するような添加物や保存料を使っていないか、栄養価の高いものを使っているのか確認しなければいけません。
ここで気をつけておかなくてはいけないのが、「総合栄養食」と書かれていないとダメかということですが、それは一概にいえません。
ヒューマングレード(人間が食べられる)のプレミアムドッグフードには「総合栄養食」の表示がない物があります。
「総合栄養食」は、AAFCO(アメリカ飼料検査官協会)で定めた基準で、Food(食物)ではなく家畜のFeed(飼料)が基準です。
ヒューマングレードのドッグフードの場合、飼料ではないので、AAFCOが定めた基準で敢えて作っていないドッグフードもあります。
また、ワンちゃんにはドッグフードではなく、手作りご飯を作ってあげたいと思っても、1日に必要な栄養素やカロリー・塩分を毎日計算して与えるのは大変ですよね。
かえって栄養が不足して体調を崩す場合もあります。
愛犬の健康を守る為には、栄養バランスの整った、厳選された新鮮な原材料で作った高品質のドッグフードを選んであげることが大事です。
