ワンちゃんがドッグフードを食べないと心配になりますが、体調に変化がなければ、ドッグフードの粒の大きさに問題があるのかもしれません。
顎が小さく噛む力が弱い小型犬や歯や胃腸の調子が悪い高齢のワンちゃんに、ドッグフードをそのまま与えても食べない時は、粒を細かくしてあげたり柔らかくしてあげると食べるようになることがあります。
カリカリの食感が好きなワンちゃんには細かく砕いてあげるのがいいですし、細かく砕いてもまだうまく食べれない超小型犬のパピーや歯周病で歯が弱くなったり、妊娠中で食欲がないワンちゃんにはふやかしてあげると食べやすくなります。
ドッグフードを砕く簡単な5つの方法とふやかす方法、それぞれのやり方と道具、注意点を紹介します。
ドッグフードを砕く簡単な5つの方法
一番多く食べられているドッグフードは、水分が10%前後とほとんど含まないドライフードです。
栄養価も保存性も高いだけでなく、歯垢もつきにくいのですが、水分が少ないため硬めです。
この硬いドライフードを簡単に細かく砕く方法と道具をご紹介します。

家庭用の包丁で砕く
ドッグフードを家庭用の包丁で切ります。包丁は、我が家でできる無料の方法ですし、一番身近にある手っ取り早い道具です。
ただ、包丁で1粒ずつ切っていては時間がかかります。
飛び散らないように気をつけて、まとめて切れるようにゆっくりと包丁を下ろしながらザクザクザクと切ります。
まな板に臭いが付くのを防ぐため、まな板の上にアルミホイル等を敷いて、その上にドッグフードを置いて切るか、専用のまな板を用意した方が良いですね。
金槌など硬いもので砕く
金槌などで叩いて砕きます。
ドッグフードの粒を直接ではなく、冷凍保存用の厚めのビニール袋や麻袋等に入れて金槌など硬いもので上から叩いて砕きます。そうすることで、ドッグフードが飛び散るのを防げます。
麺棒でもいいのですが、重みのある金槌の方が簡単に砕けます。
コツはあまり力を入れないこと。力を入れるとかえって上手く砕くことができません。
金槌なら洗い物が増えることも臭いがつくこともありませんし、どこの家庭にもありますね。
すり鉢で砕く
すり鉢で細かく砕く方法もあります。少し力が要りますし、時間もかかりますが、好みの大きさに砕くことができます。
すり鉢もやはり臭いが気になりますので、ワンちゃん専用のすり鉢を用意しましょう。
フードプロセッサー・コーヒーミル・ミルミキサーで砕く
包丁も金槌もすり鉢もドッグフードを砕くことはできますが、少し手間と時間がかかってしまいます。
もっと手早く砕きたい!という場合には、電動の道具を使うのがおすすめです。
電動のフードプロセッサーやコーヒーミル・ミルミキサーは、あっという間にドライフードを細かくすることができます。
製品によるので一概には言えませんが、数秒で細かくなり、10秒ほどかけると粉末になってしまいます。
細かくなりすぎて粉末になってしまうと、食感がなくなるだけでなく、粉が気管に入ってむせることもあります。
すぐに細かくなるので、好みの大きさにするには、少し加減が難しいかもしれません。
それに、フードプロセッサーで砕くと粒の大きさが均等ではないので、それを嫌がるワンちゃんもいます。
ミルミキサーはフードプロセッサーに比べて均等な大きさに砕けるので、神経質なワンちゃんにはミルミキサーの方が向いています。
ミルミキサーというのは、ジューサーとミキサーとミルの1台3役をする優れものです。
ドッグフードを砕くときには、ミキサーかミルを使います。だったら、コーヒーミルでいいのですが、金額が1,000円ほどしか変わらないのに、3役をしてくれるので、ミルミキサーが今、人気になっています。
朝の忙しい時間には、すぐに細かく砕くことができる電動のフードプロセッサーやミルミキサーがないと困る!という飼い主の方の声も多く聞かれます。

フードチョッパーで砕く
電動だと上手くできないという場合は、価格も1,000円ちょっとと手ごろな手動のフードチョッパーがおすすめです。
電動のフードプロセッサーやコーヒーミルより時間はかかりますが、手で押しながら小さくすることができるので、好みの大きさにすることができ、大きさも均等になります。
フードチョッパーを探すとたくさんの商品がありますが、ドッグフード チョッパーとしても紹介されているプレカットチョッパーが人気です。
プレカットチョッパーはアマゾンで売られています。
他にOXO オクソーチョッパーもドッグフードを砕くのに使われています。
OXO オクソーチョッパーの方が価格が高いのですが、口コミを見るとプレカットチョッパーの方が使いやすいようです。

砕かなくてもふやかしてもOK
ドッグフードを食べやすくするには、砕く以外にお湯やレンジを使ってふやかします。ワンちゃん専用のまな板や道具を用意しなくて済むので手間がかかりません。
そのうえ、ふやかすことでワンちゃんにとって、とても大切な水分を一緒に摂ることができます。

お湯を使ってふやかす方法
40℃~50℃のぬるま湯でふやかします。熱湯は使いません。熱湯でふやかすと、大事な栄養素である熱に弱いビタミンが壊れてしまうからです。
ひたひたになるくらいぬるま湯を入れたら15分ほど置くとふやけますが、硬さにもより、もっと時間をおかなければならないドライフードもあります。
置く時間が足りないと、表面は柔らかくても芯は硬さが残っています。指で触って、お好みの硬さになるまでおきましょう。
徐々にドライフードに切り替える時期の子犬の場合は別として、食欲がない、体調がすぐれない場合などは、消化を助けるうえでも指でつぶれるくらいまで柔らかくすると食べやすくなります。
早くふやかしたい場合は、粒を砕いて小さくしてからふやかしたり、お湯を注いだ後にラップをすることで、時間を短くすることができます。
レンジでチンする方法
お湯を沸かす手間が省けるのが、レンジを使う方法です。ふやかす為に時間をおかなくても済みます。
容器にドッグフードとひたひたになるくらいの水を入れてレンジにかけます。レンジのワット数によってちがいますが、数十秒でやわらかくなるので、最初は10秒ずつレンジにかけ、ちょうど良い硬さになる時間を図ります。2度目からは時間が分かっているので簡単です。
気をつけなくてはいけないのは、レンジでふやかしてすぐに与えるとかなり熱くなっていることがあります。
必ずフードに触って、熱くなりすぎてないことを確かめてから与えます。

砕いたりふやかしたりしたドッグフードの疑問?
「そもそもドライフードをふやかしてもいいの?」と心配される方もいますが、ふやかすことは何の問題もありません。
また、「子犬の場合、ふやかしたドライフードはいつまであげたらいいの?」と迷われる飼い主の方がいらっしゃいますが、目安は生後3ヶ月位です。子犬の状況を見ながら徐々にドライフードに変えていきますが、必ずしもドライフードに変えなくてはいけないことはありません。
成人してもずっとふやかしたドッグフードを与えているブリーダーもいますし、永久歯が生えるまで与えてるというブリーダーもいます。
永久歯が生えるまで与えるというのは、消化が良い、水分を一緒に摂れるという以外に、永久歯がきれいに生えそろうからというのが理由です。
硬いドッグフードを乳歯で食べると歯茎を傷めてしまうので、永久歯の生え方に影響が出てくるようです。

また、「細かく砕いたり柔らかくふやかしたドライフードは顎の発達を悪くするのでは?」という心配もいりません。
ドッグフードを歯で噛んで食べるワンちゃんもいますが、噛まずに飲み込んでしまうワンちゃんもいます。丸飲みするのは犬の習性であり、人間と違って胃液がたくさん出るワンちゃんは丸飲みしたドッグフードをちゃんと消化することができるのです。
「ドライフードより柔らかい半生やウェットタイプのドッグフードにした方がいいのでは?」と迷われることもありますが、半生やウェットタイプのドッグフードはあまりおすすめではありません。
水分を多く含んでいるドッグフードは、それだけ腐りやすくなります。
それを腐らせない為に、殆どの半生やウェットタイプのドッグフードには酸化防止剤などの添加物がたくさん入っています。
安全な添加物を使っているドッグフードもありますが、価格はドライフードより高めです。
それであれば、ドッグフードを砕いたりふやかしたりして、食べやすくする方が良いのではないでしょうか。

まとめ
ドッグフードを食べないワンちゃんの為に、砕き方とふやかし方を紹介しましたが、良い点と注意点があります。
良い点
- グクフードを小さく砕くことやふやかすことで、早く消化吸収できる。
- ふやかすことでにおいが強くなり、食欲が湧く。
- ふやかすことで水分を一緒に摂れる。
- ふやかす場合は、お湯に限らずワンちゃん用のミルクや鶏肉や野菜をゆでた味付けをしていないスープでふやかせば、さらに栄養価も高くなる。
注意する点
- 砕く場合もふやかす場合も通常のドライフードより酸化が進んでしまうので1食毎に作る。
- 食べ残しは捨てる。
- ふやかす為に使ったお湯やミルク・スープには栄養素が溶けだしているので、捨てずに与える。
- 柔らかくしたドライフードは歯石が付き歯周病になりやすいので、必ず歯磨きをする。
ドッグフードは、簡単に砕いたりふやかすことができるので、通常のドライフードを食べないワンちゃんには食感を変えて与えてあげるといいですね。
