ワンちゃんから聞こえる「ぷ~」の音。
初めて聞いたときは、ワンちゃんもおならをするんだ!とびっくりした飼い主さんも多いのではないでしょうか?
ワンちゃんもおならをするのですよね。
そして、おならをしたワンちゃん自体もびっくりしてお尻を上げてキョロキョロとしたり、何が起こったか分からず吠えてる様子が可愛かったりします。

音がでるときも、すかしっぺの時も、臭いがある時もない時も、人間と同じですね。
おならをすることは問題ではないのですが、注意をしなければいけない時があります!
おならがいつもよりたくさん出たり、臭いがきつい場合は、病気が隠れているかもしれません。
この記事では、気にしなくてはいけないおならの原因や対策について紹介します。
ワンちゃんのおならはどうしてでるの?
わんちゃんのおならがでるのは、どうしてでしょう。
メカニズムは人間と同じです。
小腸で消化吸収されなかった食物のカスが、腸内細菌によって分解されるときに腸内ガスが発生します。
腸内ガスのほとんどは腸管から吸収されますが、吸収されないで肛門から排出されるのがおならです。
おならが出やすい犬種は?
おならが出やすい犬種というのがあります。
フレンチ・ブルドッグやパグ、ボストン・テリアペキニーズ・チン等は、鼻が短いため鼻呼吸が苦手です。
そのせいで、口呼吸になってしまい、食べる時にたくさん空気を吸い込みやすく、おならの回数も多くなります。

標準の回数ってどれくらい?
ワンちゃんのおならの回数の標準はどれくらいかというと、個体差がありはっきり言えません。
気をつけなければならないのは、標準の回数ではなく、いつもより回数が多い、いつもより臭いがきつい、いつもより音が大きい、というそのワンちゃんの普段と様子が違う時です。

おならが出る原因
おならが出る原因はいくつかあります。
おならがたくさん出るのは、殆どの場合、消化不良が原因ですが、病気のサインのこともあります。
空気を飲み込むしまうことが原因
早食いをするワンちゃんに多いのが、食事をする時に食べ物と一緒に空気を飲み込んむことが原因でおならがでます。
また、呼吸する時にたくさんの空気を飲み込むことでも起こります。

食べ物が原因
ドッグフード
偏よりのないバランスの良い食生活をしているのであれば、ワンちゃんはもともと肉食動物であるため、おならのにおいは人間よりも臭くなります。
小麦やとうもろこし、大豆など穀類を多く含むドッグフードを食べさせていたら、穀類の消化が苦手なので、消化不良を起こすことが原因で、おならの回数が増えます。
また、動物性たんぱく質であるお肉や卵は消化される時に腐敗型ガスが発生し、臭いおならの元になるため、動物性たんぱく質を過剰に摂取している時のおならは臭くなります。
たんぱく質は本来、小腸で消化吸収されるはずですが、それが大腸まで食べ物のカスがくるというのは、動物性たんぱく質の過剰摂取の他、たんぱく質の質が悪く吸収することができないということもあります。
食物繊維・乳酸菌
ワンちゃんの腸内細菌は、フードを消化する際にたくさんのガスが発生します。
キャベツやブロッコリー、大豆、とうもろこし等食物繊維を多く含む食べ物や乳製品は、腸内細菌が活発になり、ガスが発生しやすくなります。
糖質が多い食べ物
甘いクッキーや果物も消化する際にガスが発生します。

腸内環境の悪化が原因
ストレス
環境の変化やお留守番多い等の理由でワンちゃんにストレスがあると、胃酸の分泌が少なくなり食べ物が消化できない状態で腸に送られます。
その為、腸の中で悪玉菌が増え、ガスが溜まりやすくなって臭いおならがでます。
老化
老化によって腸の働きが弱くなり、ビフィズス菌が減って悪玉菌が増える為、毒素が発生して臭いのきついおならが出やすくなります。
毒素が発生し続けると血液が汚れ免疫力も低下し、病気になったり、命に関わることもあるので、腸内細菌のバランスが整うような食事を与えるようにしましょう。
病気が原因
おならの回数が今までよりも多い、 硫黄のような臭いにおいがする場合、食べ物が原因でなければ、病気の可能性もあります。
鼓脹症
ガスが腸内に溜まり過ぎてお腹が張る為、臭いがきついおならが出ます。
炎症性腸炎(IBD)
食べ物やストレスに弱いワンちゃんがかかる原因不明の胃腸障害。腸内環境が乱れから臭いおならが出ます。
急性・慢性胃炎
腐った物や異物を食べたり、病気の治療のために飲んでいるお薬で胃の粘膜が炎症を起こし、腸にも負担がかかるのでおならが増える。
大腸・直腸がん
腸内に腫瘍があると消化機能や運動機能が落ちる為、おならの回数が増え、臭いもきついくなります。
腸に負担がかかるようなドッグフードを与え続けると、消化不良や炎症を起こし、直腸がんの原因の一つになることもあります。
膵外分泌不全
膵外分泌不全症は、膵臓の外分泌機能(食べた物を消化・分解する消化酵素の分泌)の働きが悪くなると、リパーゼという消化酵素が分泌されなくなり、食べた物をうまく消化できずにおならが出ます。
寄生虫に感染
子犬の場合、寄生虫に感染していることでおならが出る場合があります。お腹の張りや下痢・嘔吐などの症状を伴います。
痛み
どこか痛みがある場合も、呼吸が早く、浅くなるため空気を飲み込んでおならの回数が多くなることもあります。

おならがでなくなるための対策は?
おならが出ること自体は悪いことではありませんが、おならの回数が増えたり、臭いがきつい時は、心配するような病気ではない場合、腸内細菌である善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れているのかもしれません。
そのような時は、食事の食べ方やおやつを含めた食べ物、環境などを見直してあげることで改善します。
食事の与え方を変える
早食いの為、食べ物と一緒に空気を飲み込んでしまう場合は、早食いをしないようにする為に、食器を早食い防止用のものに替えてみたり、与える回数を多くして、少量ずつ食べさせるのもおすすめです。
食事を見直す
ワンちゃんがあまり消化が得意ではない大豆やコーンなどの炭水化物(食物繊維)が多く含まれていたり、添加物が入ったドッグフードを食べている場合は、グレインフリーのドッグフードに変えて様子をみるのがおすすめです。
ただし、グレインフリーのドッグフードの主原料がお肉の場合は、動物性たんぱく質なのでガスの量は減りますが、臭いは強くなることもあります。
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また、乳製品は控えるようにしましょう。
ダイエット用のドッグフードは繊維質を増やしているので、おならの回数が増えることがあります。
サプリメントを摂る
腸内環境が乱れている時は、食事を見直すことがとても大事ですが、乳酸菌サプリメントを摂るのもおすすめです。
運動をさせる
ストレスは、自律神経の乱れから消化管の機能を落としてしまいますが、ストレスを解消するためには適度な運動が効果的です。
お散歩やボールなどで一緒に遊んであげることで、ストレスは軽減されるでしょう。

臭いの原因がおならではなく肛門の場合も!
ワンちゃんのお尻から臭いにおいがするとおならと思ってしまいますが、おならではなく肛門から臭っているのかもしれません。
肛門にある肛門腺からの分泌液も臭いのです。
肛門腺とは?
肛門腺は、肛門の周りにある線で分泌物が溜まる場所です。
マーキングをしたり、外敵から身を守るために、強烈な匂いの分泌物を出します。
ワンちゃんたちが、お互いにお尻を臭いを嗅ぎあうのは、分泌物は一匹一匹違うため、情報交換をしているのです。
肛門腺絞りで臭いがなくなる?
臭いの原因は、肛門腺なのかもしれません。
肛門腺からにおう強烈な臭いは、肛門腺絞りをしてあげることで改善することができます。
ワンちゃんの肛門の左右の位置には肛門嚢という袋があり、ここに溜まった臭いの強い分泌物を肛門嚢から絞り出すことで、臭いが改善します。
通常は、排泄物と一緒に体外に体外に出されますが、小型犬は上手く排出できない場合もあり、トリミングの時にしてもらいますが、それ以外に自宅でシャンプーする時にも、肛門絞りをします。
肛門腺の絞り方
- 片方の手で尻尾を持ち上げます
- もう一方の手の人差し指と親指を肛門を挟むようにして、時計の4時と8時の位置におきます
- 肛門から分泌物を出すように、下から上にゆっくりと力を入れず、優しく押し上げるようにつまみます
- 肛門の周りが柔らかくなったら完了です

愛犬のおならが気になる場合は?
ワンちゃんも人間と同じようにおならをします。
おならは、殆どの場合、心配するようなことではありませんが、ワンちゃんがおならの回数が増えたり、硫黄のような臭いがする場合は、腸内環境が悪化しているサインかもしれません。
まずは、ワンちゃんの食べ方やドッグフード、環境などに注意をしてみましょう。
おならの変化だけでなく、下痢や嘔吐、食欲や元気がない場合は、病気が潜んでいる可能性があるので、一度動物病院で診てもらうのが良いでしょう。